第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PD-50
発表題目 林業経営面から見たクマ剥ぎ被害抑制のための方策
Measures to control bark stripping damage by bears from a forestry management perspective.
所属 東京大学
要旨本文 ツキノワグマによる人工林の剥皮被害(クマ剥ぎ)について林業経営面から見た対策について検討した。東京大学秩父演習林のスギ林約0.1haの狭いエリアに自動撮影カメラを24台設置し、2008年8月から2020年6月までにクマ剥ぎ行動の動画を5回撮影することができた。また、隣接する林分内でクマ剥ぎを模倣した樹皮剥ぎ試験と樹液の採取・分析を行った。クマ剥ぎの動画を分析した結果、クマは爪と歯を使って樹皮を剥ぎ取り、樹皮部と木部の間にある樹液を舐めとっていること、1 回あたりのクマ剥ぎ時間は5分程度から1時間近くかけること、クマ剥ぎ行動は1頭ないし数頭(母子)で行うこと、などがわかった。また、樹皮剥ぎに必要な力は季節にかかわらず300N前後であること、樹液の糖分量は春季に高く、直径の太い木が高いこと、樹液量も春季や太い木が多いこと、などの傾向が認められた。以上の結果から、クマ剥ぎ被害を抑制するためには春季に大径木を中心に単木的な防除策をとること、樹液の代替物を与えること、母子間でのクマ剥ぎ行動の伝播を防ぐことなど今後検討に値する方策についての知見を得ることができた。
著者氏名 ○石橋整司1 ・ 横山秀太2 ・ 齋藤暖生3 ・ 藤原章雄4 ・ 前原忠1
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林 ・ 2東京大学農学部 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林樹芸研究所 ・ 4東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林フィールドデータ研究センター
キーワード クマ剥ぎ, 林業経営, 防除法, 動画, スギ
Key word bark stripping damage by bears, forest management, measures to control, video, japanese cedar