第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PD-1(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 カンボジアにおける森林景観構造の時空間解析
Spatiotemporal Analysis of Forest Landscape Structure in Cambodia
所属 九州大学
要旨本文 熱帯林は全生物種の半数以上が生息しており、生物多様性の保全上重要な機能を果たす。しかしながら、近年では森林面積の減少に伴う森林の断片化といった景観構造の変化が進行している。森林景観構造の変化は生物個体群に対して悪影響を引き起こしうる。それゆえ森林景観構造の変化を定量的に把握することが必要である。本研究では、森林減少・劣化が深刻なカンボジアを対象に1989年から2019年まで約30年間に渡る森林被覆や森林景観構造の変化を定量化した。データにはリモートセンシングデータから作成されたカンボジア全土の土地被覆図を用いた。本データからパッチ数、パッチサイズ、エッジ密度などの景観指標を計算した。その結果、森林コア領域の被覆率は約30年間で58.8%から43.6%へと15.2ポイント減少した。この減少幅は同期間における森林面積の減少幅よりも大きかった。また約30年間で森林のパッチ数は増加、平均パッチサイズは減少した。以上の結果から、カンボジアの森林景観構造は分断化の傾向にあると結論づけた。今後、カンボジアの自然・地形・社会条件を踏まえ、森林の分断化に影響する要因をさらに分析する必要がある。
著者氏名 ○趙恵敏1 ・ 太田徹志2 ・ 溝上展也2
著者所属 1九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 2九州大学大学院農学研究院
キーワード 熱帯林, 森林景観, 時空間解析
Key word tropical forest, forest landscape, spatiotemporal analysis