第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 541
講演番号 PA-4(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 FSC認証紙製品の価格プレミアム発生に関する検証:選択型実験を用いて
Testing the generation of price premiums for FSC-certified paper products: using a choice experiment
所属 京都大学
要旨本文  森林認証制度は責任ある森林管理の下で生産された林産物にラベリングを行う制度である。消費者の選択的購買によって認証製品に価格プレミアムが発生し、経済的利益が林業経営体に還元されることが本制度には期待されている。価格プレミアムは、林業事業者が認証を取得するインセンティブになることから、森林認証制度が効果的に機能・普及するために重要であるが、実際の流通経路では存在していないという見解が一般的になっている。 本研究では、消費者の選好やその変化要因に着目して、価格プレミアムを発生させ経済的利益を林業事業者にもたらす方法を検討する。ノートを対象製品として選択型実験を用いたアンケート調査を行い、ノートの購入に対して森林認証がもたらす影響を評価した。対象者は京都大学の主に1年次の学生386人である。 推定の結果、ノートの購入に対して森林認証は他の属性と比べ相対的に小さい影響を持つことが分かった。また森林認証の高い認知や情報提供は森林認証の評価に有意差をもたらさないことが示された。よって本研究からは、消費者への森林認証の単純な情報提供だけでは森林認証製品の価格プレミアム形成に寄与しないことが示唆される。
著者氏名 ○富塚雅之
著者所属 京都大学農学部
キーワード FSC認証, 価格プレミアム, 選択型実験, 情報提供, 紙製品
Key word FSC forest certification, price premium, Choice experiment, information provision, Paper products