第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 541
講演番号 PA-20
発表題目 防護柵事業を森林施業に組み込むための要件
Requirements for incorporating deer fence projects into forestry operations
所属 京都大学
要旨本文 野生動物による森林被害では、ニホンジカによる被害が最も大きく、植栽時の枝葉摂食被害は造林事業の大きな障害となっていて、その被害を防ぐ対策なくして造林することが出来ない地域も見られる。この造林木被害を最も効果的に防ぐ対策として防護柵があり、造林事業では防護柵の設置が補助対象となっているケースも多く見られる。防護柵が機能を果たし成林に導くには、適切な設計、設置、維持管理が不可欠であるが、現在の防護柵事業の多くは、ネットの目の大きさなど防護柵の構造要件がある程度で、実際の施工や維持管理についてはほとんどフォローされていない。その原因の一つに防護柵技術が十分に普及していないこともあるが、一方で、維持管理では、実際の作業の結果を検査して確認することが困難であることも補助対象としにくい原因と考えられる。造林事業を効果的にするには、このような問題を抱えており、そのため防護柵を設置しても十分な投資効果が得られないこともしばしば発生している。本報告では、この状況を改善し、防護柵が確実に成林に導き、防護柵事業が森林施業体系に組み込まれて、効果的に成林を助ける事業として成り立つための要件について考察する。
著者氏名 ○高柳敦
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 防護柵, 森林施業, 技術体系
Key word deer fence, forestry operation, technical system