第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

特用林産部門[Non-Wood Forest Products]

日付 2024年3月10日
開始時刻 14:45
会場名 331
講演番号 N3
発表題目 クロモジのソーラーシェアリング作物としての可能性の検討
Examining the possibility of Lindera umbellata as a solar sharing crop
所属 千葉大学
要旨本文  クロモジは森林内の低木であり、自然界では強光下には分布しない。ソーラーシェアリング栽培では、ソーラーパネルによって、日射の一部が遮られるので、ソーラーパネルの設置によりクロモジの生育に適した環境を作れる可能性がある。粗放的管理が可能なクロモジを耕作放棄地対策作物として活用することが期待される。そこで、千葉県市原市内のソーラーパネルの設置方法が異なる3カ所のソーラーシェアリング農地を調査区として全調査区で合計16個体のクロモジ苗木を植栽し、ソーラーパネル下の環境で苗木活着の成否、ソーラーパネルの有無および設置方法が苗木の生育におよぼす影響を調査した。2022年12月に測定された各調査区のソーラーパネル下の24時間あたりの積算日射量は3~5 MJ m-2であり、ソーラーパネル上の日射量に対する相対値では56~76 %であった。2023年2月に苗木を植栽し、7月まで苗木の生育状況を調査した結果、ソーラーパネル下の環境下での苗木の活着と初期成長が確認された。また苗木の生育は日射を遮られることで促進された。受光量が少ない場合には、苗木が肥大成長よりも上長成長を優先させる可能性が示された。
著者氏名 ○高橋輝昌1 ・ 遠藤良太2 ・ 田邊純3
著者所属 1千葉大学大学院園芸学研究科 ・ 2ちば里山センター ・ 3千葉大学教育学部
キーワード クロモジ, ソーラーシェアリング, 光環境, 成長特性
Key word Lindera umbellata, Solar Sharing, light environment, growth characteristics