第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 16:00
会場名 332
講演番号 L15
発表題目 微地形と植生は森林昆虫の捕食圧を不均一にする
Microtopography and vegetation generate uneven predation pressure on forest insects
所属 東京農工大学
要旨本文 森林生態系における捕食被食関係は、森林における多種共存機構のひとつである。捕食者と被食者の関係は、異なる空間スケールで存在する環境要因の影響を受け不均一となる。特に、森林内部の微地形やそれがもたらす地質多様性の影響を理解することは、捕食圧の局所的な違いが多種共存に及ぼす影響を理解するのに貢献するだろう。本研究では、局所的な環境要因である微地形と植生が捕食圧に与える効果を明らかにするために、モデルキャタピラー法を用いた。捕食圧の違いを定量化し、以下の仮説を検証した。仮説1)微地形が異なると森林地上部における無脊椎動物に対する捕食圧に差がある;仮説2)植生の違いは、森林地上部における無脊椎動物に対する捕食圧の違いをもたらす。尾根地形や設置樹木が常緑落葉樹の場合、モデルキャタピラーの攻撃率は低かった。また、捕食圧の季節変動は顕著で、夏季に高く、春季と秋季に低かった。結論 として、我々の結果は、森林内部の捕食圧が尾根地形と常緑広葉樹の地点で低く、不均一に分布することを示した。地質多様性が高める森林内部の異質性は局所的な環境要因として捕食被食関係を複雑化し、多種共存に寄与しているかもしれない。
著者氏名 ○中辻宏平1 ・ 吉田智弘2
著者所属 1東京農工大学大学院農学府 ・ 2東京農工大学農学部FSセンター
キーワード 捕食, 生態系機能, 地質多様性
Key word predation, ecosystem function, giodiversity