第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 14:45
会場名 443
講演番号 J3
発表題目 未経験降雨指数による近年の土砂災害を引き起こした降雨の解析
Analyses of storm events based on the unprecedented rainfall index
所属 京都大学
要旨本文 本研究は,小杉(砂防学会誌,75(1),3–14,2022)およびKosugi(Nat. Hazards 118: 1259–1280,2023)により提案された,豪雨に伴い発生する土砂災害の危険度を評価するための新しい指標「未経験降雨指数」の有用性を確認することを目的としたものである。未経験降雨指数Tpは,過去のある時刻を示しており,「Tpまで遡らなければ,現在時刻の雨が過去に経験したことのない規模になっている(既往最大値超過の状況にある)」ことを意味している。すなわち,現在降っている雨が時刻Tp以降初めて経験する規模(時刻Tp以来の大雨)であることを意味している。本研究では,2023年7月に1名の死者と5名の負傷者を発生させた久留米災害を対象にTpの算定を行った。その結果,土石流発生の約3時間前からTpは過去の降雨記録の開始時に到達しており,降雨観測開始以来経験したことのない規模の降雨になっていることを示していた。このことから,Tp時系列を警戒・避難に活用することによって,平常性バイアスが軽減され,土砂災害に対する適切な避難が促進される可能性が示された。
著者氏名 ○小杉賢一朗 ・ 福田幹
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 土砂災害, 斜面崩壊, 土石流, 警戒, 避難
Key word sediment disaster, slope failure, debris flow, warning, evacuation