第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 10:30
会場名 343
講演番号 J10
発表題目 風環境に対応した立木振動の変化
Change on tree swaying under different wind environments
所属 信州大学
要旨本文 大型台風の強風による立木破壊は、風を受けることで樹幹が振動、変位した結果とも言えるが、変位程度は風環境(森林状態)によっても異なる。本研究は風に対する立木の動的反応の解明を目的とし、4種類の風環境に対応した立木振動に着目した。まず森林総合研究所千代田試験地(かすみがうら市)のスギ林内に間伐、無間伐プロットを設置した。各立木には歪みゲージおよび慣性計測センサー(IMU)を取り付け、2017年12月から振動観測を開始した(Phase 1)。2018年9月30日から10月1日にかけて台風24号により間伐プロット内の立木に被害が発生し(Phase 2)、その後12月21日まで被害木を放置したまま観測を継続した(Phase 3)。それから間伐プロットおよび周辺の防風林帯を撤去し、無間伐プロットのみの新たな風環境の中で観測を再開し、2019年10月31日に観測を終了した(Phase 4)。次いで立木引き倒し試験を実施し、プロット内および周辺木の根元の最大回転モーメントを算出した。結果として、風速の上昇に伴い樹幹振動の高次モードから低次モードへの切り替わりが確認され、さらに風環境が異なると切り替えのタイミングも変化することが明らかになった。
著者氏名 ○上村佳奈1 ・ 南光一樹2 ・ 松本麻子3 ・ 上野真義4
著者所属 1信州大学農学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所企画部 ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域
キーワード 森林風害, 立木振動, スペクトル解析
Key word WInd damage in forests, Tree swaying, Spectral analysis