第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 10:15
会場名 443
講演番号 G2
発表題目 亜高山帯林における標高勾配に沿った樹木細根の吸水速度
Variation in water uptake rate of tree fine root along elevational gradient in subalpine forests
所属 信州大学大学院
要旨本文 本研究は、標高勾配に対して樹木がどのように細根 (直径< 2 mmの根系) の吸水を調節するのか明らかにすることを目的とした。調査は2023年7~9月に長野県に位置する乗鞍岳の標高2000、2300、2500 mで行った。2000 m から2500 mにかけて地温は減少する。また、2000 mから2300 mにかけて土壌pHは増加、ECは減少し、2300 mから2500 mにかけて、土壌pHは減少、ECは増加する。対象樹種は落葉広葉樹のダケカンバと、常緑針葉樹のオオシラビソとした。プレッシャーチャンバーを用いて、水移動の駆動力を示す細根水ポテンシャルおよび、水の通しやすさを示す根水透過性を測定した。細根水ポテンシャルと根水透過性を合わせ、吸水速度を算出した。結果、標高勾配に対する吸水速度の変化が樹種で異なることが明らかとなった。ダケカンバでは、吸水速度は2000 mから2300 mにかけて増加し、2300 m から2500 mにかけて減少した。一方、オオシラビソでは、吸水速度は2000 m から2300 mにかけて変化しなかったが、2300 mから2500 mにかけて増加した。発表では、細根水ポテンシャルと根水透過性の変化から、吸水速度の変化の樹種間差をもたらした要因を考察する。
著者氏名 ○増本泰河1 ・ 橋本裕生2 ・ 高橋耕一1,2 ・ 牧田直樹1,2
著者所属 1信州大学大学院総合医理工学研究科 ・ 2信州大学大学院総合理工学研究科
キーワード 細根水ポテンシャル, 根水透過性, 山岳生態系, プレッシャーチャンバー法, 野外測定
Key word Root water potential, Root hydraulic conductivity, Alpine ecosystem, Pressure chamber method, Field measurement