第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 14:45
会場名 342
講演番号 E12
発表題目 天然生混交林の択伐施業下におけるミズナラの動態
Dynamics of Quercus crispula population in natural mixed -forest under selection cutting management
所属 北海道大学
要旨本文 近年、有用広葉樹とりわけミズナラの材価格が高騰し、伐採量が増加している。天然生林における非皆伐施業を持続的に行うためには、長期的な影響評価に基づいた計画が必要である。本報では、全木調査をもとに回帰年10年の単木択伐が継続されてきた試験地(面積37ha)における40年間の長期動態を記述する。初期20年を扱った既報(Yoshidaら 2006)では、択伐が、針葉樹の成長率・生残率に顕著な正の効果を与えるとともに、ミズナラなど一部の広葉樹の増加に寄与していることを示していた。林分全体の蓄積は、初期には減少傾向にあったものの30年時点では初期値まで回復した。しかし、強風による攪乱を受け、その後の10年でとくに針葉樹が激減した。ミズナラを含む広葉樹は、強風撹乱を含む後半20年の期間中、過去の伐採量をおおむね補償する成長を示し、新規加入率も高かった。主要樹種の中でとりわけミズナラの回復率が高かったことについて、その要因を分析し、施業との関係を考察する。
著者氏名 ○吉田俊也
著者所属 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
キーワード 非皆伐施業, 照査法, 個体群動態, 長期モニタリング, 広葉樹
Key word uneven-aged management, control method, population dynamics, long-term monitoring, broadleaved trees