第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月8日
開始時刻 14:45
会場名 412
講演番号 A9
発表題目 旧尾鷲町の山道における利用の変遷と整備・管理の実態
Chronological changes in uses of mountain paths and their management in former Owashi town
所属 東京大学
要旨本文  山中の古道が、マウンテンバイクをはじめとした森林レクリエーションの場として再生されるなど、近年山道への関心が高まっている。山道を管理し、持続的に整備していく方策について検討するため、さらなる研究の蓄積が望まれる。本報告では、三重県旧尾鷲町を対象に、文献、聞き取り調査をもとに、山道の利用の変遷を把握した上で、整備・管理の実態を検討した。旧尾鷲町では、江戸時代、巡礼者が歩く熊野古道、吉野地域に海産物を運んだ塩の道、山の生業に用いられてきた杣道などが存在した。明治期以降、運材を行う木馬道などの敷設が進み、さらに現代には登山道やトレイルなど新たな利用が興隆した。一方で、利用目的が失われた塩の道や杣道は、実質的に廃道となっている。 現在、熊野古道は、条例のもと、管理主体である行政や地元のボランティアなど、多様な主体が整備に携わっていることが判明した。一方で、地元の整備団体によって再生、整備され、トレイルランニングなどの活用が進む「尾鷲トレイル」では、法的位置づけが不明瞭で、整備団体自身、整備の持続性や管理責任などに対して不安を抱えつつ、利用者と連携しながら整備を行ってきたことが明らかになった。
著者氏名 ○平山和虎1 ・ 芳賀和樹2 ・ 柴崎茂光2 ・ 古井戸宏通2
著者所属 1東京大学農学部 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 森林レクリエーション, 尾鷲林業, 熊野古道, 巡礼, トレイルランニング
Key word Forest recreation, Owase forestry, Kumano Kodo, Pilgrimage, Trail running