No.52 旧鹿児島貯木場:屋久杉等海上輸送施設遺構

きゅうかごしまちょぼくじょう:やくすぎとうかいじょうゆそうしせついこう

番号 No.52
登録年度 2024年度
認定対象 鹿児島貯木場・木材運搬用官船・安房船溜などの搬出/関連施設、屋久杉円盤衝立、官船絵葉書などの資料群
分類・形式 搬出関連・資料群
成立年代 1910年~2006年
所在地 (旧貯木場ほか)鹿児島県鹿児島市浜町12番1号、(安房船溜まり)鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2372-24
所有・管理者 鹿児島森林管理署・屋久島森林管理署

明治末期から平成前期にかけて、屋久島を含む鹿児島県内の国有林の木材等を集積するため、国有林野事業として港湾が整備・運用され、また木材輸送用の「官船」が運用されるなど、木材海上輸送のための施設等が整備・運用された。一連の港湾施設と官船の歴史を遺産として選定するものである。明治末期に整備された鹿児島貯木場は、屋久島等からの木材海上輸送の要であり、わが国最大級の貯木場である。荷揚げ場や荷揚げ斜面岸壁などが利用時に近い姿で残されている。官船は1935年度~1984年度の間に4隻が運行され、現在は廃船されたが、その写真類が絵はがきやアルバム等で残され、戦時中に米軍の攻撃で沈没した開聞丸の慰霊碑が現存する。1950年整備の安房船溜まりは林業部局で整備した港湾として、また屋久杉等の主要積出港として、重要な役割を果たした。本遺構が林業遺産に選定されることは、鹿児島県が国内でも特に重要な林業地域であり、また鹿児島市や屋久島町が、当時国内でも特筆すべき最大級の林業拠点であったことの力強いアピールとなるものである。林業遺産としての高い価値が認められる。

  • 1935年頃の鹿児島貯木場荷揚場
    (「国有林 下」(農林省山林局1936年)より)

  • 景山丸就航記念絵葉書(1936年2月)

  • 1950年頃の安房船溜まり
    (「年輪」(熊本営林局1987年)より)

  • 現在の安房船溜まり
    (Google map航空写真)

  • 鹿児島貯木場1960年代後半~1970年代前半頃
    (「年輪」(熊本営林局1987年)より)

  • 開聞丸(左)と景山丸(右)(井上日呂登氏所有)

  • 安房船溜工事 1950年 下屋久営林署(「九州国有林の展望」(熊本営林局 1957年)より)ウインチ巻上げによる排土作業

  • 開聞丸殉職之碑
    (鹿児島森林管理署敷地内)2025年2月

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