No.35 郡上林業の歴史と技術を伝承する資料・展示と社叢林

ぐじょうりんぎょうのれきしとぎじゅつをでんしょうするしりょう・てんじとしゃそうりん

番号 No.35
登録年度 2018年度
認定対象 【道具類・資料群】「美並ふるさと館」保存の道具類と展示、ならびに関連書籍
【林業景観】星宮神社社叢林(面積 0.94ha)
分類・形式 道具類・資料群、林業景観
成立年代 およそ1820年代~1950年代
所在地 岐阜県郡上市美並町高砂
所有・管理者 「美並ふるさと館」(郡上市教育委員会)、星宮神社

岐阜県の中央、長良川沿いに位置する郡上市は、スギ・ヒノキを主体とした人工林施業が盛んである。その中でも美並町高砂地区は、大山林所有者である古川家を中心に藩政時代から育成林業が営まれ、高砂地区では1810年からスギの植林が始まり、1827年には中部地方で最初といわれる大規模な分収造林(郡上藩と地主との分収)が開始されたとされる。星宮神社社叢林はこの分収造林地での一部で、当地の育成林業の歴史の生き証人と言える。
また、往時の生活を展示する「美並ふるさと館」は、川堰や流送を含む往時の木材収穫・搬出作業や道具の使用方法に関する再現展示や記録映像・写真が充実しており、往時の林業の姿を実感を伴って伝承できることが期待される。また、林業作業の再現と記録、道具類の収集、展示の設計と作成が地域住民自らの手で実施されたことも、林業遺産を引き継いでいく地域の意志として評価される。
このような美並ふるさと館と星宮神社社叢林は互いに隣接しており、郡上の林業の歴史を知る上で相乗効果も期待できる点も評価し、合わせて林業遺産として選定する。

 

日本の林業遺産を知ろう!:郡上林業の歴史と技術を伝承する資料・展示と社叢林

  • 美並ふるさと館および星宮神社社叢林の外観

  • 美並ふるさと館 再現展示の例

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