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第132回日本森林学会大会/公募セッション一覧

公募セッションは、既存の部門ではカバーできない部門横断的なテーマについて会員の研究交流を継続的に進めることを目的としたセッションです。発表者は公募します。

T1 未利用木材利用可能量推計およびサプライチェーンマネージメント 
Availability estimation and supply chain management of unused woody materials
T2 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied studies on forest amenities
T3 熱帯林研究
Tropical Forestry Research
T4 森林におけるシカ問題の解決に向けて
For eliminating the impact of deer on forestry and forest ecosystems
T5 樹木根の成長と機能
Development and function of tree roots

T1.  未利用木材利用可能量推計およびサプライチェーンマネージメント 
Availability estimation and supply chain management of unused woody materials

コーディネータ: 有賀一広(宇都宮大学)、久保山裕史(森林総合研究所)、 佐藤政宗(森のエネルギー研究所)
ポスター発表の設置有り

2012年7月に再生可能エネルギー固定価格買取制度FITが開始され,木質バイオマス発電,特に固定価格が高値に設定された未利用木材を燃料とする発電施設が,2020年3月時点で,全国で139ヵ所新規認定され,すでに70ヵ所で稼動しています。未利用木材を燃料として利用することは,林業振興や山村の雇用創出などに貢献することが期待されていますが,一方で出力5,000kWで60,000t/年程度が必要とされる未利用木材を買取期間20年間,安定して調達できるか,また木質バイオエネルギーの持続可能性などが懸念されています。そこで本公募セッションではこれまで「日本全国の長期的な森林バイオマス利用可能量推計モデル」と「未利用木材のサプライチェーンマネージメント」に関する研究を行ってきた研究者にご講演いただき、これらの研究の現状と課題を整理し、ポストFITを見据えて、今後の木質バイオマス発電の採算性向上に資する未利用木材長期安定供給シナリオの提示、新たな産業となる森林バイオマスサプライチェーンの確立,そして安定的な未利用木材の供給体制の構築や木質バイオエネルギーの持続可能性などに関して議論を深めたいと考えております。多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

T2. 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied studies on forest amenities

コーディネータ:  上原 巌(東京農業大学)
ポスター発表の設置有り

本セッションは第132回大会で17回目を迎え、森林科学研究の分野の中で、一般市民の需要と関心が高い分野の1つです。これまでの大会では、生理的および心理的なアプローチの基礎的研究をはじめ、臨床事例、研究手法、尺度開発、国内外の地域における事例研究などが発表されてきました。基礎的研究から、保健休養に供する森林環境の整備といったハードの課題、治療・保養プログラム作成等のソフトの課題、そして各臨床症例・事例研究や、保養地事例などに至るまで多岐にわたった内容になっていることが特徴です。そのため、森林・林業関係者だけでなく、医療、社会福祉、心理、教育など、多領域の専門家に参加していただきながらコラボレーションを行ってきたことが本セッションの特色であり、存続意義でもあります。森林環境は、一般市民の日常的な健康増進はもとより、日常の各職場における保健衛生や、医療、福祉、教育などの社会における諸分野での可能性が大きく、特に新型コロナウイルス禍の現在においては、その需用も高まっています。本大会のセッションでは、そのような諸分野における視点から心身の保健休養に供する森林、樹木の利用、活用手法などの調査研究だけでなく、特に事例研究にも重点を置き、さらに森林の持つ保健休養機能についての研究手法、アプローチ方法そのものについても検討、考究することを目的としています。従来の研究対象をふまえ、さらに新たな分野、領域における調査研究対象の拡大も歓迎いたします。

T3. 熱帯林研究
Tropical Forestry Research

コーディネータ: OTA Masahiko 大田真彦(Kyushu Institute of Technology 九州工業大学)、FUJIWARA Takahiro藤原敬大(Kyushu University 九州大学)、ONDA Nariaki 御田成顕(FFPRI 森林総合研究所)、TERAUCHI Daisuke 寺内大左(Toyo University 東洋大学)

This session is designed to share knowledge, information, and experiences on tropical forestry research. To address issues and achieve better conservation and utilization of tropical forests, it is essential to have the following: (1) knowledge on interdisciplinary approaches, (2) dialogue based on accurate information, and (3) learning from past experiences of trial and error. We invite presentations from various research fields such as ecology (e.g. biodiversity, carbon stock), silviculture, socioeconomics (e.g. farm economy, community forestry), anthropology (e.g. local livelihood, culture), politics (e.g. national and international policy), and information science (e.g. remote sensing, GIS). We also welcome presentations by international students as well as young Japanese researchers. To carry out discussion among participants from different countries, English is official language for all presentations and following question and answer in this session. To facilitate lively discussion in this session, the speakers are encouraged to make your presentations understandable for the participants with different background and mother languages.

T4. 森林におけるシカ問題の解決に向けて
For eliminating the impact of deer on forestry and forest ecosystems

コーディネータ:  明石信廣(北海道立総合研究機構)、藤木大介(兵庫県立大学)、 飯島勇人(森林総合研究所)、安藤正規(岐阜大学)、 田村淳(神奈川県自然環境保全センター)
ポスター発表の設置有り

全国各地におけるシカの増加によって、森林では様々な影響が顕在化している。シカによる森林への影響を軽減するためには、シカの生息状況や森林への影響の把握方法、影響の程度を決定する要因の解明のみならず、科学的モニタリングや捕獲技術に支えらえた個体数管理手法の確立が必要とされる。また、これらの知見や技法を育林技術や林業経営、さらには森林に関する政策と統合するための多様な視点からの検討が必要である。 シカによる影響の蓄積によって、森林生態系に容易には回復させることのできない変化が生じることが明らかにされつつあり、他の生物や土壌などに及ぼす影響についても研究がすすんでいる。森林への影響が広域化し、これまでシカの少なかった地域でもシカ対策が求められるようになっているが、そこでは、すでに対策がすすんでいる他地域の事例が大いに参考となるだろう。一方、林業分野ではシカの生息下で適切に施業を進めていくための方策が求められており、更新施業の中でシカ捕獲を実施するなどの実験的取り組みなども実施されている。今後、人工林資源が成熟して再造林面積が増加することが予想される中、再造林地のシカによる更新阻害問題が深刻化する可能性がある。育林技術や林業経営の視点からのシカ対策に関する研究も大いに取り組まれる必要があるだろう。 本セッションは2015年から継続して設定している。今年も、シカ問題に関心をもつ多様な分野の研究者からの発表を期待する。

T5. 樹木根の成長と機能
Development and function of tree roots

コーディネータ:  野口享太郎(森林総合研究所)、大橋瑞江(兵庫県立大学)、 平野恭弘(名古屋大学)
ポスター発表の設置有り

公募セッション「樹木根の成長と機能」では、樹木根をキーワードに太い根から細い根まで、生態系レベルから細胞レベルまで、根と関連した多岐にわたる研究を公募し、報告対象といたします。本公募セッションでは、樹木根だけでなく、様々な境界領域分野との融合を目指します。研究内容に「根」に関する測定や事象があれば、葉や材質をはじめとする樹木地上部に関する研究、土壌微生物や化学特性、緊縛力など土壌に関する研究、温暖化や酸性化といった環境変動に関する研究など、根以外を主要な対象とする発表も広く歓迎いたします。さらに、「根」を測定項目としたい会員向けに測定方法の共有も目的とします。発表形式は口頭発表またはポスター発表とします。  発表当日は、趣旨説明の後、口頭発表していただき、適宜発表間に討論時間を設け、最後に総合討論の時間を設ける予定です。趣旨説明では根研究学会の開催する根研究集会の紹介、2021年6月に米国で開催予定の第8回国際樹木根会議の紹介など樹木根研究の国際および国内動向を森林学会員に広く情報提供します。総合討論では、樹木根と境界領域分野との研究者間ネットワーク作りを促進するための討論も行います。