1. トップページ
  2. 日本森林学会大会
  3. 第129回日本森林学会大会
  4. 第129回日本森林学会大会/公募セッション一覧

第129回日本森林学会大会/公募セッション一覧

公募セッションは、既存の部門ではカバーできない部門横断的なテーマについて会員の研究交流を継続的に進めることを目的としたセッションです。発表者は公募します。

T1 木質バイオマスのエネルギー利用の現状と展望—FIT後を見据えて—
State and projection of woody biomass use for energy: Focusing on the era after FIT
T2 被災地での林業活動再開のために森林の放射性セシウム研究から見えること
What can we do for resuming forestry at areas affected by the FDNPP accident through radiocesium research in forest?
T3 森林におけるシカ問題の解決に向けて
Constructing solutions against the impact of deer on forestry and forest ecosystems
T4 林業遺産の保存と持続的な活用に関する研究
Research on preservation and sustainable use of forestry heritage
T5 樹木根の成長と機能
Development and function of tree roots
T6 気象害リスクを低める主伐期時代の森林施業を考える—個体から景観までの空間構造と森林施業—
Think forest management of matured forests to mitigate meteorological damage risk: considering spatial forest structures from individual to landscape
T7 観光とレクリエーション
Tourism and Recreation
T8 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied studies on forest amenities
T9 熱帯林研究
Tropical Forestry Research

T1 木質バイオマスのエネルギ—利用の現状と展望—FIT後を見据えて—
State and projection of woody biomass use for energy: Focusing on the era after FIT

コーディネータ: 鈴木保志(高知大学)、寺岡行雄(鹿児島大学)、久保山裕史(森林総合研究所)、吉岡拓如(日本大学)、有賀一広(宇都宮大学)

森林学会大会では、第124回大会以来、木質バイオマス(森林バイオマス)のエネルギー利用に関するテーマ別シンポジウムあるいは企画シンポジウム、公募セッションが継続して設けられ、林政・経営・利用といった分野を横断しての報告と議論が重ねてられてきた。近年はFITの施行にともない規模の大きい木質バイオマス発電の持続可能性に注目したテーマが続いているが、中小規模の熱利用など地域に根差した地道な事業も重要である。そこで本大会の木質バイオマスセッションでは、持続可能なエネルギー資源としての木質バイオマス(森林バイオマス)資源の育成・収穫・供給(ロジスティクス)・利用には何が必要かという原点に立ち返り、広い分野・観点からの現状や課題の報告をもとにした議論の場としたい。想定する具体的な内容は、発電や熱利用も含めたFIT事業に関してはその経過、木材価格や施業計画への影響といった現状の報告と分析、FIT後を見据えた今後の展望、などであるが、これらに限らず新しい観点からの研究成果の報告も期待するものである。

T2 被災地での林業活動再開のために森林の放射性セシウム研究から見えること
What can we do for resuming forestry at areas affected by the FDNPP accident through radiocesium research in forest?

コーディネータ: 小松雅史(森林総合研究所)、大久保達弘(宇都宮大学)
ポスター発表可

福島第一原発事故から6年が経過し、最近の1年間で葛尾村や飯舘村、富岡町の広域で避解指示が解除された。また、国による除染特別地域の除染はすべて完了し、特別地域外の市町村の除染も完了しつつある。このように原発の周辺では地域的な復興が着実に進行している。一方森林については、森林の周辺以外の除染は行われていないことに加え、森林から系外への放射性セシウムの流出割合は小さい。このため、新たに避難解除された地域の森林内に放射性セシウムは比較的高濃度で保存されていると考えられることから、林業活動再開のための知見が求められる。また、野生きのこや山菜、しいたけ用原木となる広葉樹は、それぞれ基準値や指標値を超えているため、広域で出荷制限が継続している。森林の放射能汚染は、地域ごとの汚染程度や特性によって解決すべき課題が異なり、問題は複雑化している。

本公募セッションは今年で6回目となる。これまで、多くの研究者が参加し、ポスター・口頭の両方の形式で森林内の放射性セシウムの動態や汚染対策、将来予測など数多くの研究成果が発表されてきた。様々なレベルで発生している森林の放射能汚染問題を解決し、被災地の林業再開を支援するために、これまでの知見に基づく議論を継承しつつ、新たな知見を募り、議論を深めるために今年も公募セッションを企画することとした。今年も幅広い分野・視点からの参加をお願いしたい。

T3 森林におけるシカ問題の解決に向けて
Constructing solutions against the impact of deer on forestry and forest ecosystems

コーディネータ: 藤木大介(兵庫県立大学)、明石信廣(北海道立総合研究機構林業試験場)、飯島勇人(森林総合研究所)、安藤正規(岐阜大学)
ポスター発表可

全国各地におけるシカの増加によって、森林では様々な影響が顕在化している。シカによる森林への影響を軽減するためには、シカの生態や個体数管理、シカの生息状況や森林への影響の把握方法、影響の程度を決定する要因の解明などシカを対象とした研究だけでなく、これらの知見を育林技術や林業経営、さらには森林に関する政策と統合するための多様な視点からの検討が必要である。

シカによる影響の蓄積によって、森林生態系に容易には回復させることのできない変化が生じることが明らかにされつつあり、他の生物や土壌などに及ぼす影響についても研究がすすんでいる。森林への影響が広域化し、これまでシカの少なかった地域でもシカ対策が求められるようになっているが、そこでは、すでに対策がすすんでいる他地域の事例が大いに参考となるだろう。一方、林業分野ではシカの生息下で適切に施業を進めていくための方策が求められており、更新施業の中でシカ捕獲を実施するなどの実験的取り組みなども実施されている。今後、人工林資源が成熟して再造林面積が増加することが予想される中、再造林地のシカによる更新阻害問題が急浮上する可能性がある。育林技術や林業経営の視点からのシカ対策に関する研究も大いに取り組まれる必要があるだろう。今年で4回目となる本セッションでは、シカに関する幅広い研究発表とともに、シカ問題に関心をもつ多様な分野の研究者の参加を期待し、活発な議論をすすめたい。

T4 林業遺産の保存と持続的な活用に関する研究
Research on preservation and sustainable use of forestry heritage

コーディネータ: 佐藤宣子(九州大学)、柴崎茂光(国立歴史民俗博物館)、竹本太郎(東京農工大学)、深町加津枝(京都大学)、櫻井倫(宮崎大学)

適切に保存されないまま風化しつつある多くの林業遺産を保存し、長期的な林業教育や地域づくりに繋げるためには、林業遺産をめぐる多角的な視角からの研究が求められます。本公募セッションでは、①全国の林業遺産に関する網羅的な調査、②活用されている林業遺産の事例分析、③風化の恐れのある林業遺産に関する事例分析、④保存や持続的な活用を行う上での政策的課題、⑤保存や持続的な活用を行う上での技術的課題、といった広範なテーマでの発表を歓迎します。本セッションでは、「山との関わりを持ちながら、木材・薪炭材・動植物・楽しみ(畏れ)といった山からの様々な恵みを受ける活動や、山地災害を軽減させるために行う活動」を(広義の)林業とし、そうしたものの中で、「地域における森林・林業史の上で何らかの意味を持つ」ものを林業遺産と位置付けています。具体的には、①林業跡地や建造物、②道具類・資料群、③林業技術④林業関連の信仰習俗、⑤林業発祥地・記念地、⑥林業景観などが該当します。幅広いジャンルからの応募を期待しています。

T5 樹木根の成長と機能
Development and function of tree roots

コーディネータ: 平野恭弘(名古屋大学)、野口享太郎(森林総合研究所)、大橋瑞江(兵庫県立大学)
ポスター発表可

『樹木根の成長と機能』の公募セッションでは、樹木根をキーワードに太い根から細い根まで、生態系レベルから細胞レベルまで、根と関連した多岐にわたる研究を公募し、報告対象といたします。本公募セッションでは、樹木根だけでなく、境界領域分野との融合を目指します。ご自身の研究内容に「根」に関する測定項目があれば、葉や材質特性など樹木地上部に関する研究、土壌微生物、土壌化学性、土壌緊縛力など土壌に関する研究、温暖化や酸性化といった環境変動に関する研究など、根以外を主な対象とする発表も広く歓迎いたします。また、今後「根」を測定項目としたい会員向けに測定方法の共有も目的とします。

発表形式は口頭発表またはポスター発表とします。発表当日は、趣旨説明の後、口頭発表していただき、適宜発表間に討論時間を設け、最後に総合討論の時間を設ける予定です。趣旨説明では2017年6月にエストニアで行われた第7回国際樹木根会議や根研究学会の開催する根研究集会の紹介など樹木根の国際および国内動向を森林学会員に広く情報提供し、総合討論では、樹木根と境界領域分野との関連研究者間ネットワーク作りを促進するための討論も行いたいと思います。

T6 気象害リスクを低める主伐期時代の森林施業を考える—個体から景観までの空間構造と森林施業—
Think forest management of matured forests to mitigate meteorological damage risk: considering spatial forest structures from individual to landscape

コーディネータ: 南光一樹(森林総合研究所)、上村佳奈(信州大学)、水永博己(静岡大学)

地球スケールでの気候変動の進行下で、局所的には様々な極端気象現象の頻度が増加しており、風害・雪害・干害・凍害など森林の気象害が生じやすい気象環境下にある。一方で、わが国の人工林の多くは標準伐期を超えており、気象害が生じた場合には大きな経済的損失・心理的負担さらには復旧のための煩雑で危険な労働が求められる。さらに人工林の成熟化、あるいは更新に伴う幼齢化による気象害への脆弱化が懸念されている。気象環境からも、森林資源の状態からも、あるいは施業トレンドからも人工林の気象害リスクは高まっている状態にあると考えられる。

気候変動と主伐期到来時代を同時に経験する現在の森林施業には気象害リスク管理が欠かせない要件であるといえる。しかしながら、多様な森林環境に関わる気象害発生メカニズムの多くは未だに解明されておらず、 気象害回避のための施業デザインは未だに技術的な確立からは程遠く、現段階では社会的なリスク回避システムのみに依存せざるをえない状況である。

風害・雪害などの物理的ダメージへの抵抗性は樹木の個体構造と関係が深く、気象環境の激しさは群落構造や景観構造と関係が深い。そして、このような構造は施業デザインで人為的に操作できる部分がある。どのような個体構造が気象害に強いのか? 気象害に強い個体構造をどのように育成するか? どのような林分構造が気象を緩和するか? 伐採区の配置と気象害リスクの関係は? これらの課題について、過去の技術の掘り起こしから、気象害データの解析、メカニカルモデルからのアプローチまでを総動員して、気象害に対するレジリエントな森林施業へ一歩踏み出したい。そのための多くの発表をご協力いただきたい。

T7 観光とレクリエーション
Tourism and Recreation

コーディネータ: 武正憲(筑波大学)、水内佑輔(東京大学)、久保雄広(国立環境研究所)、庄子康(北海道大学)、愛甲哲也(北海道大学)
ポスター発表可

本公募セッションの⽬的は、近年の観光やレクリエーションに対する社会的な注⽬を反映し、これらについて議論できる場を設定し、研究交流の促進を図ることにあります。扱う対象は森林だけでなく、⾃然保護地域や⾃然公園、都市公園、景観、野⽣動物など幅広い対象を想定しており、観光やレクリエーションという⽂脈の下、様々な学問分野の研究発表がなされることを想定しています。観光とレクリエーションはこれまで⾵致部⾨においてキーワードレベルで扱われてきました。しかし、1)林業が名⽬GDPに占める割合は0.1%に満たないのに対し、観光業は5.0%を占めており、⾃然地域での観光がこの値すべてに関係している訳ではないものの、かなりの部分で関係していること、2)全国の⼤学で観光関係の学部が新設されており、そこには森林学会に所属している研究者も数多く教員として採⽤されていること、の⼆点から公募セッションを設けることとしました。本公募セッションは四回⽬の開催になります。皆様のご参加をお待ちしております。

T8 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied studies on forest amenities

コーディネータ: 上原巌(東京農業大学)
ポスター発表可

本セッションは第129回大会で14回目を迎え、森林科学研究の分野の中で、一般市民の関心が高い分野の1つである。これまでの大会では、生理的および心理的なアプローチの基礎的研究をはじめ、臨床事例、研究手法、尺度開発、国内外の地域における事例研究などが発表されてきた。基礎的研究から、保健休養に供する森林環境の整備といったハードの課題、治療・保養プログラム作成等のソフトの課題、そして各臨床症例・事例研究や、保養地事例などに至るまで多岐にわたった内容になっていることが特徴である。そのため、森林・林業関係者だけでなく、医療、社会福祉、心理、教育など、多領域の専門家に参加していただきながらコラボレーションを行ってきたことが本セッションの特色であり、存続意義である。森林環境は、一般市民の日常的な健康増進はもとより、職場における保健衛生や、医療、福祉、教育などの社会における諸分野での可能性が大きい。本大会のセッションでは、そのような諸分野における視点から心身の保健休養に供する森林、樹木の利用、活用手法などの調査研究だけでなく、特に事例研究にも重点を置き、森林の持つ保健休養機能についての研究手法、アプローチ方法についても検討、考究したいと考えている。

T9 熱帯林研究
Tropical Forestry Research

コーディネータ: ONDA Nariaki 御田成顕(Kyushu University 九州大学)、TERAUCHI Daisuke 寺内大左(Toyo University 東洋大学)、OTA Masahiko大田真彦(Kyushu Institute of Technology九州工業大学)、FUJIWARA Takahiro 藤原敬大(Kyushu University 九州大学)

This session is designed to share knowledge, information and experiences on tropical forestry research. To address issues and achieve better conservation and utilization of tropical forests, it is essential to have the following: (1) knowledge on interdisciplinary approaches, (2) dialogue based on accurate information, and (3) learning from past experiences of trial and error. We invite presentations from various research fields such as ecology (e.g. biodiversity, carbon stock), silviculture, socioeconomics (e.g. farm economy, community forestry), anthropology (e.g. local livelihood, culture), politics (e.g. national and international policy), and information science (e.g. remote sensing, GIS). We also welcome presentations by international students as well as young Japanese researchers. To carry out discussion among participants from different countries, English is official language for all presentations and following question and answer in this session. To facilitate lively discussion in this session, the speakers are encouraged to make your presentations understandable for the participants with different background and mother languages.