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第127回日本森林学会大会・公募セッション一覧

公募セッションは、既存の部門ではカバーできない部門横断的なテーマについて会員の研究交流を継続的に進めることを目的としたセッションです。発表者は公募します。

T1 森林におけるシカ問題を解決するための知見の集積
Accumulation of knowledge for constructing solutions against the impact of deer on forest ecosystem
T2 森林分子生態
Forest molecular ecology
T3 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied researches on forest environment amenities
T4 観光とレクリエーション
Tourism and recreation
T5 林業復興にむけた森林生態系の放射性セシウム汚染の実態解明とその対策
The study of radiocesium contamination and countermeasures in forest ecosystem supporting forestry
T6 よりよい熱帯林の保全・利用に向けたネットワーク構築と情報共有
Network building and information sharing for better tropical forest conservation and utilization
T7 地域に根付く森林教育
Place-based forest education

T1 森林におけるシカ問題を解決するための知見の集積
Accumulation of knowledge for constructing solutions against the impact of deer on forest ecosystem

コーディネータ: 飯島勇人(山梨県森林総合研究所)、明石信廣(北海道立総合研究機構林業試験場)、安藤正規(岐阜大学)、日野貴文(酪農学園大学)

ポスター発表可

趣旨: 本セッションは昨年度に開催した「森林におけるシカ問題の解決に向けて」を継承したものである。近年、シカの個体数増加に伴い、森林では様々な影響が顕在化している。シカによる森林への影響を低減するためには、シカの生態、シカの個体数管理、シカや森林への影響の把握方法、影響の程度を決定する要因の解明など、様々な分野の研究を融合した対策が必要である。しかし、これまでの森林学会ではこれらの分野ごとに研究発表が行われ、「シカによる影響を低減するために何が必要か」を分野横断的に検討する場が存在しなかった。本セッションは、分野横断的にシカに関する研究発表を行い、シカによる森林への影響を低減するために必要な点を明らかにすることを目的とする。
 昨年度の本セッション及びこれまでの研究の結果、シカの個体数推定法、シカの捕獲技術、相対的なシカ密度の違いと植生への影響については知見が集積しつつある。しかし、シカの生態や行動を考慮した捕獲や被害対策、広域に影響を把握するための簡易な調査手法、シカによる影響度と環境条件の関係、シカを減少させた場合の植生回復の指標、シカの捕獲体制の在り方、シカ管理を意識した森林管理などについてはまだ十分な知見が得られていないと考えられる。また、すでにある程度明らかになりつつある知見については、様々な状況での適用事例を集積することも重要であろう。そのため、本セッションはシカに関係のあるあらゆる分野の発表を歓迎する。昨年度のセッションではシカや植生に関する自然科学の発表が主であったが、砂防学的視点からのシカの影響評価や、シカ管理やシカによる影響に関する社会科学的発表なども歓迎する。本セッションを通じて、森林におけるシカ問題の解決に今後何が必要かを、参加者を含めて議論したい。
 This session aim to accumulate knowledge for reducing the impact of deer on forest ecosystem. Any studies about deer will be welcome.

T2 森林分子生態
Forest molecular ecology

コーディネータ: 津村義彦(筑波大学)、井鷺裕司(京都大学)、戸丸信弘(名古屋大学)、陶山佳久(東北大学)

ポスター発表可

趣旨: 様々な生態現象を分子マーカーによる遺伝的な情報を用いて解明する分子生態の研究分野では、これまでにもマイクロサテライトマーカーを用いたジェノタイピングによる解析を始めとして、遺伝子発現情報の解析など、様々なアプローチが行われてきた。森林生態に関わる分野では、このような研究によって樹木の交配様式や遺伝子流動の解明、希少種の保全に関する情報取得など、多くの研究成果が発表されている。また、近年では次世代シークエンサー(NGS:Next Generation Sequencer)の登場により、桁違いの分子データを比較的簡単に取得することが可能となり、従来の生態研究を飛躍的に進展させつつある。本セッションでは、従来の分子マーカーだけでなく、NGSなどの新しい解析手法を用いた幅広い森林生態学的研究について発表していただき、森林生態現象の理解を深めるとともに、新たな手法・技術の応用、将来的な可能性に関しても有意義な議論を行いたい。公募対象とする研究内容は、菌類・植物・動物等の対象を問わず、できるだけ広い範囲の分野を歓迎する。特に、新規性のある手法・分析技術・解析方法については、必ずしも最終的な成果に至っていない内容のものも積極的に取り上げたい。セッション全体として、森林分子生態学分野の現状を俯瞰できるような網羅性を目指すとともに、今後の研究のアイディア創出に繋がるような、発展性のある議論を展開したいと考えている。

T3 森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
Basic and applied researches on forest environment amenities

コーディネータ: 上原巌(東京農業大学)

ポスター発表不可

趣旨: 本セッションは本大会で12回目を迎え、森林科学研究の分野の中で、一般市民の関心が高い分野の1つである。これまでの大会では、生理的および心理的なアプローチの基礎的研究をはじめ、臨床事例、研究手法、尺度開発、国内外の地域における事例研究などが発表されてきた。基礎的研究から、保健休養に供する森林環境の整備といったハードの課題、治療・保養プログラム作成等のソフトの課題、そして各臨床症例や、保養地事例などに至るまで多岐にわたった内容になっていることが特徴である。そのため、森林・林業関係者だけでなく、医療、社会福祉、心理、教育など、多領域の専門家とコラボレーションを行ってきていることも本セッションの特色であると言える。森林環境は、一般市民の日常的な健康増進はもとより、職場における保健衛生や、医療、福祉、教育などの諸分野においても利用の可能性が大きい。本大会のセッションでは、そのような視点から生活習慣病や心の健康づくりに供する森林、樹木の利用、活用手法などの調査研究に特に重点を置き、また森林環境の持つ保健休養機能についての研究アプローチについても検討、考究したいと考えている。活発で自由な雰囲気のもと、のびのびとしたセッションを展開していきたい。

T4 観光とレクリエーション
Tourism and recreation

コーディネータ: 庄子康(北海道大学)、愛甲哲也(北海道大学)、久保雄広(国立環境研究所)

ポスター発表可

趣旨: 本公募セッションの目的は、近年の観光やレクリエーションに対する社会的な注目を反映し、これらについて議論できる場を部門レベルで設定し、研究交流の促進を図ることにあります。扱う対象は森林だけでなく、自然保護地域や自然公園、都市公園、景観、野生動物など幅広い対象を想定しており、観光やレクリエーションという文脈の下、様々な学問分野の研究発表がなされることを想定しています。観光とレクリエーションはこれまで風致部門においてキーワードレベルで扱われてきましたが、コーディネータは以下のような理由から部門レベルとして扱う必要であると考えています。1)林業が名目GDPに占める割合は0.1%に満たないのに対し、観光業は5.0%を占めています。自然地域での観光がこの値すべてに関係している訳ではありませんが、かなりの部分で関係していることは確かであり、社会的・経済的な影響やカバーする内容の広さから考えて部門レベルで扱ってもおかしくありません。2)全国の大学で観光関係の学部が新設されており、そこには森林学会に所属している研究者も数多く教員として採用されています。そのような研究者あるいはそこに所属する学生が発表する場を設けることが求められています。3)これまで観光やレクリエーションに関する発表は、主に風致部門で行われてきており、「環境教育」「住民参加」「ガバナンス」に関わるような発表は林政部門でも行われてきました。観光やレクリエーションは分野横断的な性質があるため、本公募セッションを立ち上げることで、観光とレクリエーションに関して総合的な議論を行うことが可能になります。本公募セッションは昨年度に引き続きの二回目の開催になります。前回は立ち見が出るほど好評だったこともあり、セッションの枠組みや会場を拡大して開催したいと考えています。多数の応募をお待ちしております。

T5 林業復興にむけた森林生態系の放射性セシウム汚染の実態解明とその対策
The study of radiocesium contamination and countermeasures in forest ecosystem supporting forestry

コーディネータ: 金子真司(森林総合研究所)、大久保達弘(宇都宮大学)

ポスター発表可

趣旨: 福島原発事故から4年半が経過し、避難指示区域の見直しが進み、被災地における林業の再開が進められている。しかしながら、森林にもたらされた放射性セシウム(Cs)は、自然減衰によって低下していくものの、系外への流出が少なく、多くが森林内に留まっている。このため、林業再開にあたっては汚染状況を把握することが大切である。特に、広葉樹に関してはキノコ栽培用の原木と菌床に対する放射性Csの指標値がそれぞれキログラムあたり50ベクレルと150ベクレルと厳しく設定されており、汚染地では利用が困難になっている。さらに、野生キノコや山菜も基準を越え出荷制限されている地域も多く、森林生態系内における放射性Csの動態のメカニズムを明らかにするとともに、汚染を低減するための対策や、将来の汚染の予測などの研究が求められる。このことから、本セッションでは、被災地の林業復興のためには、現在別々に行っている研究についての情報交換とディスカッションを重ねて、放射性Csの研究を更に深化することを目的する。
 過去4回の森林学会大会で森林の放射能汚染に関するセッションを開催してきた。発表数は年々増加し、昨年企画した公募セッションに対しては口頭発表18件、ポスター発表25件と多くの発表があった。このように本テーマに係る研究は年々盛んになっている。そこで本年度も公募セッションを企画し、口頭とポスターの両方の発表を募集する。

T6 よりよい熱帯林の保全・利用に向けたネットワーク構築と情報共有
Network building and information sharing for better tropical forest conservation and utilization

Coordinators: TERAUCHI Daisuke(寺内大左)(The University of Tokyo(東京大学))、 SUZUKI Haruka(鈴木遥)(Kyoto University(京都大学))、FUJIWARA Takahiro(藤原敬大)(Kyushu University(九州大学))、IWANAGA Seiji(岩永青史)(Forestry and Forest Products Research Institution(森林総合研究所))

Only oral presentation

Purpose: Deforestation of tropical forest is a global environmental problem. To address better conservation and utilization of tropical forest, it is required to share the information among researchers who have a different discipline such as ecology (e.g, silviculture, biodiversity, carbon stock), socio-economic (e.g. local economy, community forest management), anthropological (e.g. local livelihood, culture), political (e.g. national and international policy), and information science (e.g. remote sensing and GIS). Also it is required to share information between researchers and practitioners. We welcome all persons who are interested in issues surrounding tropical forest, especially for international students and young researchers. Our goal is sharing information and building networks among the participants. This session will be held in English.

T7 地域に根付く森林教育
Place-based forest education

コーディネータ: 大石康彦(森林総合研究所)、青柳かつら(北海道博物館)

ポスター発表可

趣旨: 森林学会大会における森林教育をテーマとするセッションは2003年に開始され、これまで継続して、森林教育の研究と実践を進める議論を行ってきました。昨年の北海道大会では、国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD:2005-2014年)の終了を受けて「持続可能な社会の実現に向けた森林教育」のテーマのもとで、森林教育そのものの持続可能性が議論の的となりました。このことは、森林教育の研究が、研究のための研究ではなく、実践を通じた社会貢献に実を結ぶ実学であるために、重要な点であると考えます。そして、森林教育の持続可能性は、人材、森林を含む学習素材、プログラム、資金といった資源の持続性、教育効果の持続性、教育の場や教材となる地域社会の持続性など、様々な要素と影響しあいます。
 そこで、本セッションでは「地域に根付く森林教育」をテーマに掲げ、森林教育活動を持続的なものにしていくための様々な条件整備のあり方や人材の育成について、議論を進めることとしました。ここに付した「地域」の語は、森林教育の活動が机上の空論ではなく、各地域の現状や課題をとらえた具体的な目的や内容を備えたものでなければならない、という理念を表すキーワードです。
 このテーマを受けて、「地域における持続可能な社会の実現や環境問題の解決に行動できる人材の育成」といった大きな教育目的に対して、さまざまな地域資源を活かした学習活動の実践と効果、地域における森林・林業関係者と教育関係者の連携、山村と都市の協力、市民・企業・行政・大学等の協働などの問題に関する発表を通じて、森林教育は「なぜ根付かないのか」、「どうすれば根付くのか」について議論を深めたいと考えています。