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2017年度林業遺産(No.27)日本近代砂防の祖・諸戸北郎博士の設計による渓間工事建造物群

近代砂防工学の祖である諸戸北郎博士はオーストリア・フランスへの留学で得た知見を日本の国情に合わせた理論的技術として体系化し、その普及と人材の育成に多大な貢献をした。大正11(1922)年に設置された東京大学愛知県演習林(現・生態水文学研究所)は、諸戸の砂防工学体系に対応する各種の試験が行われた実験・教育フィールドであった。とりわけ、犬山地区での渓間工事は諸戸の問題意識であった小規模渓流における山地保全のためであったと考えられる。

なかでも渓間工事建造物群のコア資産であるコンクリート堰堤は、学生実習や技術者講習会における見学・視察の対象となり、近代砂防技術者養成に資したといえる。また、当時の様子は画像や動画により知ることができる。現在も、渓間工事建造物群は、許可制ではあるが一般利用も可能なエリアに立地しており、砂防・緑化工事の先駆的工事として紹介する見学プログラムが市民向け講座で実施されている。

諸戸の砂防工学体系を具現したことにとどまらず、多くの技術者の養成に貢献した犬山研究林の渓間工事建造物群は、現在も近代林学の貢献を一般に伝えるものとして価値があることからここに林業遺産として選定する。

認定対象: コンクリート放水路付土堰堤、鉄線蛇籠堰堤×17、土堰堤、橋梁×2(跡地含む)からなる渓間工事建造物群

所在: 愛知県犬山市塔野地大畔(東京大学生態水文学研究所)

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昭和4(1929)年のコンクリート放水路付土堰堤
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平成28(2016)年のコンクリート放水路付土堰堤